ニコレット小説置き場

小説(薔薇腐、夢)置き場。たまに自分のことも。

健人くん。ー mrkn?←Not腐

マリウスside

 

 


健人くんは、すごく優しい。


すごく優しくて、面白くて、
いつもボク達を見てくれてる。


いつだって他にない、ボク達のお兄ちゃん。


…あぁ、ほら、
勝利くんが隅で泣いてる。


健人くんが声をかけて、涙を拭って。
勝利くんの心の傷を消毒して、絆創膏を貼って。


次はほら、聡ちゃんの元気がない。
関係ない話をして、一方的にニコニコして、
隣に寄り添って自分の笑顔を分けてあげて。


風磨くんがなんかイライラしてる。
向かい合って座って、愚痴を聞いてあげて、
風磨くんが拳を固くしたから、手を重ねて、握りしめて。


「マリ、どうしたの」


ボクは気がついたら泣いていた。
健人くんがボクに向けた笑顔にまた涙が落ちていった。


「健人くんが大変そうだから」


こうやって泣いても、また健人くんを困らせるだけなのに。ボクは。


「大丈夫だよ、俺は。」


ボクはまた、健人くんに甘えてしまうから。


「うおっ、なに、びっくりした」


思い切り抱きしめて。
ボクにはそんな力、ないかもしれないけれど。


ボクは健人くんの、ボク達の健人くんみたいな人になりたいな。


「心臓、ドキドキいってる」

「そりゃあ、心臓だからね」

「…痛くない?無理してない?
誰かに、甘えたくないの?」

「だから、大丈夫だって。
なに、お前。そんなことで泣いてたの。」

「だって、さ、健人くん…
みんなに優しすぎる…」

「はは、なに。ヤキモチ?」


そうやって笑うけど、本当は笑う余裕なんて無いくせに。


その傷んで、痛んで、ボロボロになった心は、ボクには治せないんだろうか。
じゃあ、誰なら治せるのか。


健人くん、教えてよ。わからないよ。


きっとこれが、ボクの涙の意味だよ。
ねぇ、健人くん。


ボクの心をわかって?
そして、治してよ。

 

 

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俺と奴の関係 ー fmkn

健人side

 

俺はアイドルだ。
結構有名でドラマにもバラエティー番組にも出ているような、ちゃんとしたアイドル。


アイドルには熱愛報道が付き物だ。
俺も何度か出ているが、今まで出たものは全てガセである。
恋愛していない訳ではないが、本当のことがバレると、他の芸能人がバレるよりすごく大変なことになってしまう。


それは、何故かと言うと。


「……おい」

「ん?あ、おかえり」

「おかえりじゃないだろ」


この男と交際しているから。


この男は菊池風磨。同じアイドルグループのメンバーで、俺の一個下。


中島健人の交際相手が、
男であること。
同じグループであること。
菊池風磨であること。
こんなことバレてしまったら、メディアに引っ張りだこになり、当分眠れない日々が続くだろう。俺の人生が終わってしまうかもしれない。


でも別れることはできない。
だって、好きだから。
俺はきっと、この男から離れることはできないだろう。


「なに勝手に入ってるんだよ。
鍵空いてたから泥棒かと思ったんだぞ」

「折角恋人が会いに来たのに、嬉しいありがとう大好きの言葉もないの?」


ふざけんな、と軽く頭をはたく。
美味しそうな匂いがしてふとテーブルを見ると、俺の好きなオムライスがあった。


「これ風磨が作ったの?」

「おう。冷めるから早く食えよ。」


こういうさり気ない優しさが憎い。
結局許す流れになってしまうから。


「…いただきます」

「どーぞ」


美味しい。
俺は普段、どちらかと言うと風磨に抱かれる身なのに、料理とか美容とかは風磨より劣っている。
だからといって風磨よりできるようになろうとは思わないけど。


「どう?」

「美味いよ」

「よかった」


ぺろりと平らげた俺が食器を洗っていたら、奴が背中から抱きついてきた。


「中島、あのさ」

「なに」

「今えっちしたいって言ったら何て言う」

「回りくどい」

「えっちしたい」

「待って。シンキングタイム。」


明日は仕事だ。
随分していないし、体にかかる負担も大きいだろう。


考え込んでいると、シンキングタイムが面白かったのか、笑った風磨の吐息が耳にかかった。
ふる、と体が震える。


「で?していいの、ダメなの」

「……いれないなら」

「りょーかい」


了承してくれたけどいれないならなんて、風磨はがっかりしたんだろう。
俺のことを大切にしてくれているような気がして、嬉しくなった。


「じゃ、どこまでならいい」

「……まさぐり合い」

「ぶっ」


笑い出す風磨につられて俺も笑った。
突然頭を少し引き寄せられて、軽いキスを受けた。


「ベッド行く?ここでもいいけど」

「馬鹿かお前」


風磨とほぼ同じ体型なのに、お姫様抱っこでベッドに連れられた。
優しく寝かされて、上から風磨が覆いかぶさってきた。
顔が、異様に男前で。


俺の恋人は最高にかっこいい。


この関係がずっと続きますように。


そう思いながら、降ってくるキスの雨を目を閉じて受け入れた。

 


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はじめに。

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はじめまして、ニコレットです。

 

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